友達の腕にリストカット跡を見つけてしまったとき、その衝撃はとても大きなものです。
自分からそのことに触れていいものか、何も言わずにいるべきか、どう接するべきだろうと悩んでしまいますよね。
また、友達のことが心配で自分自身が知らず知らずのうちにストレスを抱えてしまうこともあります。
そこでこの記事では、自傷行為をしている友達にどう接するべきか、そしてあなた自身の心を守る方法をまとめました。
友達のこころに寄り添いながら、自分自身も大切にする方法を一緒に考えていきましょう。
リスカしている友達への接し方とは?
リスカをする友達の気持ちを理解しよう
リストカット(リスカ)を含む自傷行為は、手首だけでなくお腹などの他の部分を切る、自分を叩くなど、自分自身を傷つける行為です。
そういった自傷行為をする友達がいると、一体どうして?と悩むかもしれません。友達が自傷行為をする理由は、たくさんあります。
・家庭や学校など環境のストレスから
・将来や生活への不安から
・孤独感から
などが多いです。
また、過剰に高ぶった感情や希死念慮(死にたい気持ち)を抑えるために行う場合もあります。これは脳内麻薬が分泌されて一時的に気持ちが和らぐからだと言われています。
こ
のように、生きるための手段として自傷行為を行っていることもあることを知っておいてください。自傷行為=死のうとしている、とはすぐに決めつけないようにしましょう。
まずは、友達がどんな気持ちでリスカをしているのかを考えてみることが大切です。責めたり、否定したりせず、友達の気持ちに寄り添う姿勢を持つようにしてみてください。
友だちへの接し方
友達がリスカしていることを知ったとき、「なんでそんなことをするの?」と問い詰めたくなるかもしれません。
しかし、これは避けましょう。
友達を責めたり、驚かせたりする言葉は、かえって友達を傷つけてしまうことがあります。先ほども述べたように、まずは考え、理解しようという姿勢が必要です。
また、「構って欲しいアピールでしょ」のような、リスカを軽視するような発言もNGです。友達が安心して話せる環境を作ることが大切にしましょう。
励ますためにできること
友達を励ますには、まず話をしっかり聞くことが大事です。
ですが、リスカのことに触れるのではなく
「最近お家ではどう?」
「辛いこととかない?」
と友達から話を切り出せるきっかけをつくることに努めましょう。
友達を支えるためにあなたができること
『共感』を大切にして話を聞く
友達が話し出したら、急かすことなく話に耳を傾けましょう。
話を聞く上で一番大事なポイントは『共感』です。
「こうしなよ」「なんでこうしないの?」
といった安易なアドバイス・質問は避けて
「つらいよね」「がんばったんだね」
と受け止め、共感する姿勢です。
安易なアドバイスや不躾な質問は友達を傷つけてしまい、二度と話してくれなくなるかもしれません。
共感の姿勢を意識しておいてくださいね。
信頼できる大人や専門機関のサポートをすすめる
友達がリスカを続けている場合、一人で支えるのは難しいかもしれません。
そんなときは、信頼できる大人や専門機関に相談することをすすめましょう。
「一緒に相談してみよう」と誘うと、友達も安心できるでしょう。
自分だけで抱え込まず、必要なサポートを受けることが大切です。
サポートを受ける際は本人の同意を大切にしましょう。
友達と一緒に考えるリスカの代わりになる行動
ストレス発散や気分転換の方法を提案する
もし友達からリスカをやめたいと相談されたときは、代わりになるストレス発散の方法を提案してみましょう。
例えば、絵を描いたり、スポーツをしたり、日記を書くことが効果的です。何かに集中することで、気持ちが少し楽になるかもしれません。
絵やスポーツ、音楽などは現実逃避や発散に役立ち、日記は自分の状況やストレスを見つめなおすのに有効です。
友達が興味を持てるような活動を一緒に考えてみるとよいでしょう。
一緒に楽しむ時間を増やす
友達と一緒に楽しい時間を増やすことも、リスカの代わりになる行動を見つける手助けになります。
映画を見たり、カフェに行ったり、友達が笑顔になれるような時間を過ごすことで、リスカ以外の方法でストレスを解消できるようになるかもしれません。
ただ、人によっては人の声が苦痛だったり外に出るのがおっくうだったりします。(その場合「うつ」など心の病気の可能性もあります)
無理をせず、少しずつ楽しいことを増やしていきましょう。
自分の心も守るために
自分が無理をしないための方法
友達を支えるのは大切ですが、自分が無理をしすぎると、あなた自身も疲れてしまいます。
友達の苦しみや不安に共感することで、知らないうちにストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
自分の心と体も大切にし、無理を感じたら一息つくことが大事です。無理をしない範囲で、できることを続けるようにしましょう。
周りの大人に相談する重要性
友達を支えるためには、あなた一人で抱え込まないことが重要です。
信頼できる先生や親に相談することで、より適切なサポートが受けられるかもしれません。
友達が大人に知られることを嫌がった場合でも、あなた自身が「ひとりでは対応できない」「自分だけで抱えるのは辛い」と感じる場合は、相談することをおすすめします。
また、身近な大人ではなく、公的な専門家に相談する方法もあります。
電話、LINE、チャットなど様々な支援がありますので、友達のことについて相談したり友達に利用をすすめたりしてみましょう。
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まとめ
リスカしている友達への接し方は、とてもデリケートで慎重に行う必要があります。
友達の気持ちを理解し、優しく寄り添うことで、友達は少しずつ心を開いてくれるかもしれません。
絶対に友達を責めず、むしろその気持ちに共感することが大切です。話を聞くときは、焦らずに友達のペースに合わせるようにしましょう。
また、あなた一人で抱え込まず、信頼できる大人や専門機関に相談することも重要です。
友達と一緒にリスカの代わりになる行動を見つけたり、楽しい時間を過ごすことで、少しずつ前向きな方向に進むことができるでしょう。
そして、自分の心も守ることを忘れず、無理をせずに友達を支えることが、長く続けられるポイントです。
あなたが友達を支えたいという気持ちは、きっと友達の力になります。共に乗り越えていくために、できることから始めてみましょう。